秋田県秋田市 2012年 起業 村上 篤
株式会社ホワイトシード代表取締役社長
PROFILE

1974年生まれ。秋田県秋田市出身。新潟工業短期大学自動車工業科卒業後、新潟大学工学部に編入。在学中にレース業界を目指すが叶わず、中退後に国家公務員となる。秋田にUターン後、整備士としてディーラーで働きながら洗車技術を研究。2012年株式会社ホワイトシード設立。

秋田市内にある「BEAUTIFUL CARS」は、車の磨きとコーティングの専門店。県内に留まらず、今や海外からも注目を集めるこの会社を立ち上げたのが、株式会社ホワイトシード代表取締役社長の村上篤さん(43)だ。「車を綺麗に保つ意識を世の中に広げたい」という思いから、独自に培った職人的な洗車技術を、全国規模のビジネスに拡大しようとしている。

1台の車と11年向き合って生まれた、独自技術の洗車方法

レース業界で働くことを目指したのち、国家公務員、カーコーティング技術者、磨き屋という職を経て、2012年に地元の秋田で起業した村上さん。

 

「洗車への疑問があったので、じゃあ試してみようと思って、20代後半からの11年間、1台の車とひたすら向き合ってみました」

ワックスもコーティングも一切塗らない状態の新車から、正しい洗車だけをし続けてみたらどうなるのだろう?という実験を、廃車にするまでの11年間続けた。一見、きれいに見える車でも、光に当たると細かいサワサワとした傷が見える。それを完璧に磨き上げ、磨き上げたその美しい状態を、長期間保つことができる洗車方法を独自に編み出したことが、村上さんと「BEAUTIFUL CARS」の強みだ。

 

「お手入れ方法をよく知らない販売店から、傷が付いてしまった新車を納車された購入者が『これ傷ついてますよ』と言ったら、もうクレーマー扱いになってしまうんです。お客様は何百万円もする車を買っているのに、これはおかしなことになっているなと。販売店はきれいな状態のまま新車をお客様に納めてくれて、お客様はきれいなままの車に乗れる。僕はそれを当たり前だと思っているんです」

車を美しくする市場は「ブルーオーシャン」

顧客はカーマニアや富裕層ではなく、単に「買った車を大事にしたい」「きれいな車に乗りたい」「洗車の仕方がわからない」という人達で、女性客も非常に多いという。現時点ではその必要性にユーザーがあまり気付いておらず、ニーズが顕在化されていないだけで、車購入者の大半が市場になる可能性がある。「そういう意味では、すごい『ブルー・オーシャン』だと思っています」と、村上さんは自信を見せる。

 

「理美容業界みたいになればいいなと思っています。髪なんて自分で切ろうと思えば切れるんですよ。でも、みんな当たり前に床屋さんや美容室へ髪を切りに行く。車もそういう風にしたいんです。日常の洗車は自分でやるけれど、お手入れに困ったら専門店に行くということを当たり前にしたい。販売店もガソリンスタンドも、洗車は片手間の別業種ですからね」

車を美しくすることを「カーディテイリング」と呼ぶが、「ディテイリングを行なったお客様からは絶大な信頼を寄せていただける」と村上さんは言う。整備工場や板金工場、タイヤ交換に至るまで色々聞かれるため、自分が窓口となって周囲の業者を紹介するまでになり、自動車整備を含む「カーアフターマーケット」系とも、今後はもっと組んで行きたいという。

「職人の技」を、全国にスケールさせる

職人芸的に仕事を突き詰める人はどこの地域にもいるかもしれないが、村上さんのユニークなところは、ビジネス的にスケールする方向を目指しているという点だ。「地域へのインパクトを考えると、規模が必要」と、目標は5年で年商10億の達成。上場も視野に入れ、秋田県外にもビジネスを広げる。

「やはり世の中に(車を綺麗にする意識を)広げていきたいんです。僕ひとりが対応できる範囲の車を綺麗にするだけでは、満足いかないんですよね」

 

フランチャイズのような形で、BEAUTIFUL CARSのコピーをどんどん作っていきたいと言う村上さんは「村上塾」という名で、技術指導後、のれん分けをする仕組みを作った。既に、横浜で塾生第1号店の開業が決まっており、今後は、青森と福島でも開業予定と、徐々に拡がりをみせている。「彼らも事業主ではあるのですが、『村上さんとやりたい』と言ってくれているので、彼らのことも、業界も、僕が引っ張っていければいいなと思っています」

突き抜けるには、仕事に没頭できる秋田は最適

技術や理論を突き詰め、突き抜けるには、秋田や東北は最高の環境だと村上さんは力説する。

「地の利もありますし、それプラス、ライバルが少ない。何かをちょっとやれば目立つし、何をやるにしてもお金がかからないし、どんな業種でも、ロールモデルをやるには秋田は最高だと思います。秋田は世界一の“少子高齢化”なのですが、その秋田で成功したビジネスモデルは、世界中で成功すると思うんです。『秋田で成功した』『秋田で一番』と言うだけで、ほかの地域から『すごいですね!』と言われる様になるし、海外からとなるともはや『日本の会社』ですから、日本で突き抜けているという印象になるわけです。地方だろうが都会だろうが全然関係ないんです」

 

地元の商工会議所の青年部にも所属していたという村上さんは「秋田市でさえも、年商10億以上の会社がゴロゴロあって、殻を破りまくっている人はすごくいる」と話す。起業当初から、東北での起業支援プログラムにも参加してきた村上さん。Tohoku Rebuildersのような起業家のコミュニティに参加することで、起業家が自分が目指したい人を見つけ、自分の現在の快適な状態に満足せず、どんどん殻を破っていくことが大事だと語る。

「常に殻を破っていくというのは、すごい気持ちが悪くて辛いのですが、僕は『最近刺激がないなぁ』みたいな状態になると、『ヤバイ!』と思うんです。常に吐き気がするくらいのチャレンジをしていないと嫌なんですよね。話すだけで緊張して気持ちが悪くなってしまうような人達が目の前に大勢現れ、その人達から多くの刺激を与えられる。プログラムを利用すると、そういうパワーが得られると思います」

PROFILE

1974年生まれ。秋田県秋田市出身。新潟工業短期大学自動車工業科卒業後、新潟大学工学部に編入。在学中にレース業界を目指すが叶わず、中退後に国家公務員となる。秋田にUターン後、整備士としてディーラーで働きながら洗車技術を研究。2012年株式会社ホワイトシード設立。2013年、車を美しく仕上げる「カーディテイリング」技術をもとに「BEAUTIFUL CARS」を開業。

INTERVIEW他のインタビュー

  • 快適な状態に満足せず、どんどん殻を破っていくことが大事
  • 外からの視点で地元を見直したら『行ける』と思った
  • ITで地元の地域課題を
    解決することが自分の使命
  • 地域に迎合するのではなく
    オリジナリティを保つ
  • 地方ではいざという時に頼れる人の数が違う。
  • 鶴岡に来たことが
    一番正しい経営判断だった

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